テキサス探鳥記(2) 山本 晃 |
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8月11日早朝、米元氏が地元の大学のCin-Ty Leeというシギ・チドリに大変詳しい先生と共に来て下さいました。今日一日、怪し気な六人の日本人をガイドしてくれるのです。西も東も分からない身にとって地元のバードウォッチャーの案内ほど頼りになるものはありません。観光地であれば旅行案内書のようなものを参考に出来ます。野鳥を観て回ろうとすると、余程有名な探鳥地なら市販のガイドブックにも載っているでしょうが、野鳥などという一般受けしないものの扱いは日本もアメリカも大差ないのです。誰にも頼れないとあらば、出来るだけ詳しい地図を入手して、環境や地形を推測しながら「だめもと」で探し回るしか方法がないのです。テキサスのような広大無辺な土地では走る距離がバカにならず、予測が外れた場合には時間と燃料の浪費は眼に見えています。詳しい地形図を事前に入手出来れば、ある程度予測
を立て狙い撃ちする自信もありましたが、生憎ドライブ(旅行)用の地図しか入手することが出来ず、想像と現実の乖離を思い知らされただけでした。
最初に訪ねたのはMoody Gardenという場所。単なる雨水の遊水池をフェンスで囲ったようなモノがあり、雨水が引けて湿地状になった池にたくさんの鳥が観られました。アメリカササゴイ、コキアシシギ、フタオビチドリ、クロエリセイタカシギ、などなど。
ガルベストン島の北東端から隣接するボリバー半島へフェリーで渡ると、良いポイトがいくつかあるということなので、お任せして連れて行ってもらいました。以前は橋で繋がっていたそうですがハリケーンに破壊されてしまい、フェリーで人や車を往来させるようになったとのことです。有難いことにフェリーは無料なのです。橋を架け直すという発想は当局にはないようです。アメリカって思ってたほど豊かじゃないのかしらと訝しく思いますが、ペンタゴンが「カネ喰いムシ」なのでしょう。
フェリーの姿がまたユニークで思わず笑ってしまいましたが、およそ18分の航海で対岸に到着です。フェリーの甲板からはワライカモメやハシグロクロハラアジサシ、アメリカオオアジサシ、サンドイッチアジサシなどが観られ、アメリカグンカンドリやカッショクペリカンの雄姿も堪能できました。
ムクドリモドキが車のまわりをさかんにうろついて何かを啄んでいるので、何やっているのか見ていると、どうやら車に当って潰れた昆虫を食べているようでした。往ったり来たりするフェリーに居座って車を物色していれば労せずして食い物にありつけるわけで、なかなか知恵があります。海面には名前は分かりませんが、イルカが群泳していて自然の懐の深さを実感させてくれます。水が濁っているため、呼吸をする時にチラッと背中が見えるだけなので余り面白くはありませんが、あんな都会の海にイルカが遊弋しているのも新たな驚きではありました。車を何処かに置いて、一日中フェリーで往ったり来たりしてみるのも面白いかもしれません。
どうということはない只の泥沼状の干上がりかけた水溜りに過ぎないのですが、餌となる小動物が豊富なのでしょう、たくさんの鳥の姿に一同歓声を上げて望遠鏡やカメラを慌ただしく準備するのでした。 更に少し走ってボリバー半島の先端南東に広がる干潟 Bolivar Flats Shorebird Sanctuaryで探鳥。干潟と言うには砂地で固く、極端に遠浅の海辺を延々と歩きました。非常に細かい砂は濡れていると舗装道路のように固く、かすかに足跡が残るだけです。そんな干潟に海辺の鳥達が思い思いに翼を休めたり餌を採ったりしているのです。「写真の距離」まで寄らせてくれる鳥もいれば「何で飛んじゃうんだ」というシャイな鳥もいるのは日本と同じ。 ![]() ガルベストン周辺の地図 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | | ||