テキサス探鳥記(5) 山本 晃 |
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13日 ホテルの朝食の時間も待てずに7時頃飛び出し、途中「マクドナルド」でブレックファースト。味気ないこと夥しいのですが、「時は金なり」をテキサスくんだりまで持ち込むと、こういう事になります。コーラなんてシロモノを、卑しくも食事と同じテーブルに載っけて喜んでいる感覚は、到底「漬け物で茶漬け」というヤマトダマシイ的食文化に染まっている私共には理解できません。とは言うもののゲップ(コーラの余韻)をしつつ、ガルベストン島の北端にあるApffel Parkへ行ってみようと衆議一決。いつもフェリーに乗る為に左折する道を直進して行くと、何やら鳥の居そうな環境になり始め、一同色めき立ちました。一般の連中はずーっと先の海水浴場のようなビーチに向かうようです。 道路の右側に広い湿地が広がっているのを見逃すはずはありません。早速車を止めてウォッチング開始。ベニヘラサギのピンクが真っ先に目に飛び込んで来ます。望遠鏡で観ると、SYさんが女物の桃色の浴衣を羽織っているようでマクドナルドが逆流しそうな感じがしました。クローズアップには耐えられない鳥です。 水辺の常連以外、目新しい鳥が見られそうもないので先へ進むと、干潟にたくさんの鳥が羽を休めているのを見つけ、またまたウォッチング開始。クロハサミアジサシ、アメリカオオアジサシ、オニアジサシ、サンドイッチアジサシ、ハシグロクロハラアジサシ、メリケンアジサシ、ワライカモメ、アメリカオオハシシギ、オオキアシシギ、アメリカオオソリハシシギ、アメリカミヤコドリ、シロトキ、ダイサギなどなど。 良い距離で撮れそうなのでSYさんと一緒に別行動で迫ってみました。私はまたまた腹の具合が急を告げ、トイレに急行。工事現場に置いてあるようなプラスチックの「箱」の中は地獄でした。考えてみれば当たり前ですが洋式。気持ち悪いので、ペーパーをぐるりと敷きつめて事に及びました。 スッキリと清清しい気分で帰って来ると、海岸で地元の家族連れや若い男女が妙な事をやっています。鶏のモモを紐に結んで海に投げ込んで、ゆっくりゆっくり引っ張っているのです。真剣な表情についつい引き込まれて見ていると、浅い所まで引っ張られて来たモモに脚を広げると手の平位のガザミがしがみついているのが見え始めました。タモをそーっと沈めてその中にカニごと引っぱり込んで一丁上がり。面白いように捕れていましたが、少し小さいので食べるのに苦労しそうです。もしかしたら、油で揚げて丸ごと食べてしまうのかもしれません。 ガソリンスタンドに併設されている雑貨屋で食料を調達。フェリーに乗って、またまたHorseshoe Marshへ。余程気に入ってしまった面々ではありました。アメリカオオハシシギはオオハシシギより頻繁に見ることができます。さすがに三度目となると長居はせず、40分程で腰を上げました。時計と相談して、余り遠出は無理ということで、昨日のSportsman Roadを再訪することに決め、再びフェリーに乗ってガルベストン島へ。 驚いたことに昨日と全く同じ杭の上にアメリカヨタカが止まっているではありませんか。向きまで同じなのには笑えました。ひょっとしてこの家のペットじゃないのかな?そんな考えも不自然とは思えないのでした。オニクイナも時々、姿を現してくれますが、一往復して鳥に関しては昨日と同じと納得すると、もう別の所へ行きたくなります。 ガルベストン島の中央にState Parkがあり、環境も良さそうだと目星を付けていたので、訪ねてみることにしました。平坦な地形にせいぜい5メートル程の樹木が生い茂っています。基本的に海浜性の植生なので多様な樹種は期待出来ないのは分っていましたが、それにしても少し単調な植生でした。時季が良ければ様々な野鳥が集まりそうに思えましたが生憎閑散としていました。8月前半の海浜のブッシュはこんなもの。これもひとつの経験です。後で知ったのですが、State Parkは有料だったのです。それほど「取り立て」が厳しくないのを良いことに、タダで観て回ってしまいました。知らない(分らない「読めないともいう」)という事は怖いことです。地図で見ると島の北側は大変複雑で魅力的な海岸線なのですが、道路が限られている為接近は出来ず、少し残念でした。水上(海)から舟でアプローチが出来たら最高でしょうが、知らない者が舟で走り回ったらあっと言う間に座礁させてしまうでしょう。 少し遠回りして帰ることにしましたが、陸上は鳥の姿は少なく、季節が良くないことがますますはっきりしてきました。海岸通り沿いに疎らに建つ住宅はみんな2〜3メートル位の柱の上にのっかっています。海抜の低い土地なので高潮に対する備えなのだそうですが、出入りはいちいち階段の昇り降りになるのですから不自由でしょうね。海に面して眺めはさぞ良かろうと思われますが、ハリケーンの直撃を受けたら「筋交い」の無い柱だけの構造は横からの風圧に耐えられるのか、他人事ながら心配で夜も眠れません。 低緯度特有のつるべ落としの日没に、そろそろディナーの時間。Miller's Landingという大変な繁昌振りのレストランに入ったのですが、食べ物に執着心の薄い私は日が経つとどういうモノを食べたのかすっかり忘れ去っています。不味かったという記憶も残っていないので、そこそこの味だったようです。ホテルで鳥合せをしたのですが、途中で寝てしまう豪傑がいて女性陣の失笑を買っていました。明日は最終日。米元氏が来て下さるそうなので、また新しいポイントに連れて行って頂けそうです。 ガルベストン周辺の地図 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |