韓国探鳥記(5) 先崎 啓究


2007年1月6日
釜山市洛東江(ナクトンガン)右岸河口 7:30
 今朝は昨日に比べると待ち合わせ時刻が遅いのでかなり楽だ。7時にナムさん、ニールさんがそろって到着し、3日目スタート。最初は洛東江(ナクトンガン)の右岸河口に出ている、コノドジロムシクイを見に行く。途中ライフリスト8,000種オーバーというイギリス人バーダーのピーターさんと会い、少し情報交換をした。ピーターさんはコノドジロムシクイにはまったく興味がなく、ゴビズキンカモメを見るため、別行動となった。いたら連絡をくれると言うことで別れる。ポイントに着いて歩き始めると、河口には大きな干潟が広がっている。周りには松林があり、どうやらここにコノドジロムシクイがいるらしい。干潟からはマガンやヒシクイ、オオハクチョウなどの賑やかな声が聞こえてきて、ツクシガモやズグロカモメも多く見られる。林には相変わらずカササギが多く、ミヤマホオジロの声も聞こえる。と、干潟の石の上からタシギが3羽飛び出した。1羽、次列風切が白くない個体がいた。ニールさんが「ハリオシギですかね!?」と言うので気になり、降りた所でもう一度皆でチェック。1羽だけちょっと明るい新羽に変わった個体がいたが、全部タシギに見える。その1羽がもしかして?と思ったけど確証がない。

 しばらく待って、ようやく動いた!と思った瞬間、シャッターを押すも飛び去ってしまった。しかし、翼下面は他2羽と比べて黒っぽい。そして最後に「クェ」とタシギ独特の声を出した。たぶんこれがアメリカタシギと呼ばれる亜種なんだろう。そうこうしているうちにコノドジロムシクイのポイントへ到着し、現れるのを待つ。もう8時前だと言うのに、ようやく日の出である。

 ニールさんが「あ、Hen Harrier(ハイイロチュウヒ)が飛んできました。♀タイプです」と言うのと同時に、林の方から「ジッ、ジッ」という聞いたことがありそうでない声が聞こえてきた。コヨシキリの地鳴きに濁りを少し足した感じだろうか!?すかさずニールさんが、「コノドジロムシクイの声です!ハイイロチュウヒが飛んだのでアラームコールを出したのですね」。皆の視線が声の方へ集中する。ニールさんが「いました!あそこです!」と言った。どこどこ?と思って目を凝らすと、松の枝先でチョロチョロしている小鳥を発見。双眼鏡で見ると、いた!!思ったより小さいけど、確かに喉元が白っぽい。しばらく出たり入ったりを繰り返したが、皆でそろって観察する事ができた。ただ、ちょっと遠くてあまりいい写真を撮ることはできなかった。その後しばらく探すも、どこかへ行ってしまい発見できず。そろそろ移動しようという時、ピーターさんから電話があった。ついにゴビズキンが出たらしい!ここぞとばかり、急いで車で移動。現場付近に到着するが、気持ちだけがはやり、なかなかピーターさんを見つけられない。そんな気持ちとは裏腹に、潮が満ちてきた干潟の上をカモメやモンゴルカモメが飛んでいく。

 ISさんが「今、バードウォッチャーがおりましたよ?」と言う。確認するとピーターさんだった。急いで車から降りて状況を伺うが、もういないという返事だった。ちょっとがっかりしたけど、とりあえず探してみる。風がものすごく強くて寒い。揺れるスコープの向こうにオジロワシが降りているのをSTさんが見つけたが、特に変わった鳥はいなかった。

 ピーターさんと再び別れ、車中にて。ニールさんがピーターさんに「他にはどんな鳥がいたのか」と聞いた時、barabensisタイプのカモメや、嘴が真っ黒な小さめのシロカモメがいたと言われたらしい。えっ、バラベンシス?ウミネコかホイグリン系じゃないの?嘴が真っ黒で小さいシロカモメ…つまりkumlieni (アイスランドカモメの亜種)? アイスはめったに見れる鳥じゃないと思うし、ましてやここは韓国ですよ?オオセグロかモンゴルの磨耗した1Wじゃないの??
とりあえず以前、ゴビズキンがいたという浜も探してみたが、ビロードキンクロがいたくらいだった。




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