韓国探鳥記(6) 先崎 啓究


2007年1月6日
慶尚南道山清郡  13:30
 次はここから少し離れた場所へ移動。高速に乗った所で僕がハラヘッタ!とわめいて遅い朝食をとる。うどんはもういい、ということでタコ入りカレーのようなものを頼んだが、これがたいへん。とても辛く、僕とSTさんは食べるのにかなり苦労した。平気だったSYさんとISさんはほんとに凄いと思う。コーヒーを飲んでも、空気を吸っても、しばらく口を通るものすべてが辛くて、その後さらに唇のまわりがヒリヒリした。

 コウライアイサを探すため、高速に乗りポイントへ向かう。途中、車内から何度かクロハゲワシが見られた。とても大きい! 午後1時半頃、コウライアイサのポイントである川に到着。この辺だったかな?という辺りに差し掛かった時、全員が同じ方向を向いて「いた!」と叫ぶ。双眼鏡で見てみると、うろこ模様が美しいコウライアイサが2羽、いや3羽(♂2、♀1)も見られた。

 車を止め、しばらく様子を見てから車外へ出て、脅かさないように中腰で観察する。とてもきれいな鳥だった。カワアイサもいたけど、気品がぜんぜん違う。それにしても今日は風が強い。 近くの橋の下にはカワビタキがいるらしいので、それを探す。正直、カワビタキがどんな鳥なのか知らない。見たらわかるかな?しかし、橋の上から探しても見当たらない。ニールさんと川辺に下りて探すが、どうしても見当たらず。糞はまだ新しい感じだったから、強風のせいでどこかに隠れているのかもしれない。車に戻ると雪が降り始めた。次はいよいよクロハゲワシのポイントだ。

 方向感覚が冴えているSYさんの記憶などを元に、クロハゲワシのポイントへと向かう。峠を越え、更に里山のような所を抜け、どうやらこの辺りらしい。すでに上空には数羽のクロハゲワシが飛びまわっている。まるで日本のトビのよう。SYさんは状況を飲み込んだようで、ここだ!と言っていた。細い道の先に目的地発見!昨年、大量に止まっていたという岩には一羽もいなかったが、とりあえず奥まで行ってみる。天気は持ち直し、遠くを飛ぶクロハゲワシがよく見える。相変わらずのカササギや、亜種チョウセンハシブトガラスも多い。下の方が写真がよく撮れそうだということで、そちらへ移動。ちょうど車を止められるスペースもあるので、そこで粘ることにした。

 雲行きはまた怪しくなったが、何度も何度も頭の上をクロハゲワシが通過する。近くで見るとほんとに大きい。羽が綺麗な幼鳥もずいぶんいるが、そんなのをじっくり観察する暇がないほど頻繁に真上を飛んでいった。クロハゲワシも落ち着いたところで、ふと真上を見上げると、なんだか細身のワシが飛んでいる。とりあえず指だけ指して、これがソウゲンワシなのか?と思っていると、ニールさんが「ステップ!!ステップイーグル!」と絶叫。全員色めき立つ。

 離れていたSYさんも異変に気づいたのか、つられて「ステップ!」と叫んだ。これが噂のソウゲンワシか!第2回冬羽なので、昨年と同一個体らしい。雪がひどくなってきたけど、下雨覆の淡色模様がわかった。だんだん山の方に飛び去り、吹雪も一段落したところで、STさんがふと「2羽いる?・・・う〜ん」と言った。2羽?と思い双眼鏡を覗くと確かにクロハゲワシではない鳥が2羽いる。でも吹雪でよく見えない。しばらく観察していると、どうやらオジロワシではないかと言うことになった。雪もようやく落ち着き、ソウゲンワシは再びこちら向きに飛んできた。先ほどより模様は見やすいが若干遠い。それでも周りからは切れのいいシャッター音が響き渡る。ソウゲンワシが遠くへ行くと、今度はオジロワシも飛んできた。真下から見ると普通にオジロワシだった。オジロワシだって十分大きいはずなのに、クロハゲワシと比較するとトビのように見える。ほんと、クロハゲワシはでかい鳥。




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