韓国探鳥記(8) 先崎 啓究


2007年1月7日
 先ほどまでの騒動とは裏腹に、午後の日差しが気持ちいい広い干潟の散歩。まだ開発が中途半端なこの感じは昔の日本の状況に似ている。少し残ったアシ原から聞こえてくるシベリアジュリンの地鳴きが急に現状を思い出させる。やはり似ているようで違う、韓国。徒歩30分程で現地到着。ズグロカモメとツクシガモが乱舞している。肝心のコノドジロムシクイは見られず。思い思いに鳥を見て過ごす。

 モンゴルカモメが飛び、セグロカモメが数羽。割合が日本とは割合がまるで逆。ヘラサギが2羽いて、オオワシが飛び、ダルマエナガが鳴いているのにトビが少ないなんてほんとに興味深い。途中日本人ツアーに遭遇。STさんの知り合いがいておどろいた。なんだろうこの安心感は。湿地関係のツアーらしく、それのオプションでナクトンガンでバードウォッチングしていたらしい。こんな西なのに干潟にはオオハクチョウが多くて、カムチャツカで標識された個体を熱心に観察していた。

 干潟に動きがないので淡い期待を抱いてコノドジロムシクイを探すべく、松林を歩いてみた。結構鳥がいて面白い。やはり鳥見は歩かなきゃね。ビンズイが意外と多い。それに相変わらず多いカササギも。おなじみジョウビタキ、他にはタヒバリも。しかし、肝心のコノドジロムシクイは見られず。反対側にいたのかな!?干潟に戻ってみると後ろから「●×※∵◆☆#△?」と突然若い人にハングルで話しかけられた。「ん?わかんねえよ?? Sorry, I'm Japanese!!」と、素で返す。どうやら現地の人に間違われたらしい。確かに、モンゴルとセグロ並にアジアの人は似ていると思う。英語でゆっくり聞くと、「何かいますか?」と「あの対岸に止まってる猛禽はなんですか?」と言っていた。頭フル回転で英語を詰め合わせて、とりあえず「オオワシがいたくらいで他は特に」と、「対岸のはノスリです。」と言ってスコープを覗いてもらう。どうやら通じたらしい。「Thank you!」と言って去っていった。日没近いので、カササギのねぐら入りをISさんと眺めながら宿まで戻る。帰り際に見たノスリが異常に褐色で翼が長く見えた。同亜種らしいから地域個体差になるんだろうか。これはこれでとても面白い。18:00に一度荷物を置きに部屋に戻る。

 今日のゴタゴタでまともな飯を食ってないからモーテルのそばのレストランで夕食。たくさん食べたら、思いのほか値が張ったよう。観光客向けの店には要注意ですね。まあおいしかったけど。 さていよいよ明日の予定について煮詰めていく。どうしようか!?車がないと今日と同様ナクトンガンで1日コースになってしまう。そこで思い出したのが昼間のタクシー運転手安さん。そういえば、「私、釜山の観光案内、1日○○ウォン、これ(タクシー)貸し切りで案内OK」って言ってたな〜?と言うのを思い出して、STさんが交渉。格安で予約を取り付けたのだが、ニールさんがそれは怪しいというほど破格の案内料らしい。大丈夫か!?ということで、ここでもやさしいニールさんがわざわざ安さんに確認を取ってくださった。結局、高速代を含めてないらしいという事がわかり料金確定で一安心。明日はそのタクシー貸し切りで、クロハゲワシとカワビタキのリベンジに決定した。とりあえず1部屋4人じゃ厳しいのと、部屋が空いてそうだったので、もう一部屋借りて、一部屋2人ずつで寝る。ようやくバタバタな一日にピリオド。「モーテル」らしい騒音の中で寝る。お疲れ様です。




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